労働災害SOS|みらい総合法律事務所

労災で弁護士に相談すべき5つの理由

最終更新日 2024年 02月20日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠

 

はじめに

仕事をしていると、ケガをしたり、病気になってしまったり、ということがあります。

仕事中にケガや病気をした場合、もちろん病院に行って治療を受けるべきですが、その後のことも心配になります。

・後遺障害が残ってしまった場合は、どうすればいいのか?

・治療費や入院費は自分で支払わなければいけないのか?

・休職中の給料はもらえるのか?

・保険に加入していないが何か得られる補償はないのか?

・労災給付で不足する損害は会社が補償してくれるのか?

・会社に慰謝料を請求する場合、どういう手続が必要か?

・慰謝料はいくら請求できるのか?

・弁護士に相談した方がいいか?メリット、デメリットは?


このような不安があるのではないでしょうか?

その答えを、これから包括的かつ網羅的にご説明します。

最後までお読みください。

業務に起因するケガや病気、死亡を労働災害(労災)といいます。

じつは、労災にあったときのために法律で「労災保険制度」というものがあり、色々な給付金を請求することができます。

しかし、労災給付だけでは、損害の全てをまかなうことはできません。

そこで、労災保険で損害が全て填補されない場合、事情によっては、会社に対して損害賠償請求をすることもできます。

労働者がケガをしないように、会社がきちんと安全に配慮しないかったために、ケガをしてしまった、という理由で損害賠償請求をする、ということです。

そこで今回は、いざというときに損をしないために、役に立つ労災の知識と、労災を弁護士に依頼した方がいい理由について解説します。

労働災害(労災)には業務災害と通勤災害がある

労働者が業務に起因して負傷(ケガ)、疾病(病気)、障害(後遺症)、死亡に至った場合を「労働災害(労災)」といいます。

労災には大きく2つの種類があり、業務中のものを「業務災害」、通勤中の交通事故などによるケガや病気などを「通勤災害」といいます。

業務災害は、業務と労働者の負傷、疾病、障害、死亡との間に因果関係がある場合に労災と認定されます。

その際には、2つの基準を中心に判断されます。

・業務遂行性=労働者が使用者(会社)の支配下にある状態

・業務起因性=業務に内在する危険性が現実化し、業務と死傷病の間に一定の因果関係があること。

そのため、事故なら何でも認められるわけではなく、業務とは関係なくケガや病気をした場合は労災とは認められません。

次に、通勤災害についてですが、これも通勤中の事故なら何でも認められるわけではなく、あらかじめ要件が定められていることに注意が必要です。

通勤災害の多くは交通事故です。

交通事故の被害に遭った場合、自分で交渉するのと弁護士が交渉するのでは、結果が異なることが多いことをご存じでしょうか。

動画で確認しましょう。



通勤災害での「通勤」とは次のような移動を、合理的な経路と方法で行うこといいます。

①住居と就業場所との往復

②就業場所から他の就業場所への移動

③単身赴任先住居と帰省先住居との移動


これらの経路を逸脱(通勤とは関係のない目的のために合理的な経路を逸れること)したり、中断(通勤の経路上で通勤とは関係のない行為をすること)した場合は、逸脱または中断の間とその後の移動は通勤にはならないので注意が必要です。

ただし、例外もあります。

日常生活上、必要な行為として、たとえば子供を託児所などに預けるためにとる経路は合理的な経路になります。

また、食品や日用品を買うためにスーパーに立ち寄り、短時間で買い物を終えて合理的な通勤経路に戻れば通勤途上となります。

また、些細な行為として、次のような場合は立ち寄りや寄り道をしても、その間も含めて通勤として認められるケースがあります。

・駅構内やコンビニなどでの飲料水の立ち飲み

・通勤経路の近くにある公衆トイレの使用

・公園での短時間の休憩

・通勤経路上の店舗でのタバコや飲料水、雑誌等の購入


しかし、買った物が日常生活に必要のない商品であったり、カフェなどでゆっくりとお茶を飲んだり、映画を観たり、あるいは買い物中にケガをした場合などは逸脱中ということになり、通勤災害とは認められません。

ちなみに、いつ、どこからが通勤の始まりかというと、住居の形態によって違ってきます。

たとえば、マンションやアパートなどの場合は玄関のドアから、戸建住宅の場合は玄関のドアではなく門戸からが通勤とみなされます。

このように、労災になるかどうかでも法的知識が必要です。

労災の死亡事故や後遺症事案で会社への損害賠償を検討している方は、一度ご相談ください。

 

労働災害(労災)と労災保険の関係とは?

労災には、「労働基準法」と「労働者災害補償保険法(労災保険法)」により災害補償制度があります。

労働者災害補償保険法

第2条 労働者災害補償保険は、政府が、これを管掌する。

【参考URL】労働者災害補償保険法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000050

条文の通り、労災認定を受けた場合、国から次の補償を受けることができます。

健康保険とは違い、労働者に自己負担額がないのが労災のメリットのひとつです。

療養補償給付(療養給付)…ケガの診察、治療等に対する補償

休業補償給付(休業給付)…ケガの治療ために労働できない場合、休業の4日目から休業が続く間の補償が支給される

傷病補償年金(傷病年金)…治療開始後1年6ヵ月を経過しても治らない場合、傷病等級に応じて支給される

障害補償給付(障害給付)…ケガが治った、もしくは症状固定(それ以上よくならない状態)後に後遺障害等級(1~14級)に基づいて支給される

遺族補償年金(遺族年金)…労働者が死亡した場合、遺族に支給される

葬祭料(葬祭給付)…労働者が死亡した場合、支給される葬祭費

介護補償給付(介護給付)…後遺障害等級が1級と2級で常時介護が必要になった場合の補償

後遺症が残ったら、後遺障害等級認定を

療養補償給付をもらいながら治療を続けても、「これ以上治療を続けても改善しない」という状態になることがあります。

この状態を「症状固定」といいます。

症状固定になって、なお障害が残っている場合には、後遺症が残ってしまった、ということになります。

このような場合には、「後遺障害等級認定」を受けることになります。

なぜなら、後遺障害等級認定を受けることにより、障害補償給付、介護が必要な場合には介護補償給付が受けられるようになるからです。

また、会社に損害賠償請求をする場合には、後遺障害等級によって、賠償額にかなりの差が出てきます。

後遺障害等級認定の手続は、労基署に申請書と診断書等の資料を提出して行うことになります。

事故内容やケガの状況、後遺症の内容などが調査され、1級~14級までに区分された後遺障害等級認定がなされます。

後遺障害等級認定は、必ず正しい認定がされるわけではありません。

間違った認定がされたときは、審査請求や裁判を行うことによって、正しい等級認定にしてもらうことが必要です。

等級認定によって労災給付の金額が異なってきますし、会社に対する損害賠償請求の場合には、後遺障害等級が1級違うだけで、数百万円、場合によっては数千万円も違ってくるから、とても重要です。

ただ、初めて後遺障害等級認定を受ける被災者の方では、その後遺障害等級が正しいかどうか判断するのは難しいでしょう。

なぜなら、後遺障害等級認定が正しいかどうか判断するには、医学的知識や後遺障害等級認定の判定基準の知識なども必要となってきて、専門知識がないと難しいためです。

後遺障害について、更に詳しく知りたい方は、こちら。
労働災害(労災)で適切に後遺障害が認定される人、されない人の違いとは?

したがって、後遺障害等級認定がされた時は、労災事件に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

労災で後遺障害が認定された場合や死亡事故の場合は解決するのに専門知識が必要です。

一度弁護士に相談してみましょう
 

過労死と過労自殺も労災として認められる

労災は職業柄から、以前は建設業や運輸業などに比較的多くありました。

しかし近年、増加しているのが過労死と過労自殺の労災認定です。

高度経済成長期からバブル景気と崩壊、失われた20年といわれる経済低迷期やリーマンショックなど、日本人は戦後の復興から現在に至るまで激動の中で一生懸命に働いてきました。

それは、日本人の勤勉さに裏打ちされた美徳ですが、一方で、海外からは「エコノミック・アニマル」と揶揄されたように、経済的利益を追求する、働き過ぎな国民だと言われてきたのも事実でしょう。

実際、長時間の過重労働による過労死が社会問題化し、英国の辞書に「KAROSHI」が掲載されたのは1980年代後半のことでした。

近年でも、会社から長時間の時間外労働(残業)を強いられたり、パワハラを受けたことで肉体的、精神的に追い詰められ亡くなる人が後を絶ちません。

公表されている統計データ「平成29年度 過労死等の労災補償状況」(厚生労働省)によると、「脳・心臓疾患」に関する労災補償の請求件数は840件で、支給決定件数は253件(そのうち死亡については92件)となっています。

【出典】厚生労働省 平成29年度「過労死等の労災補償状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/H29_no1.pdf

さらに、「精神障害」に関する労災補償の請求件数は1732件、支給決定件数は506件、そのうち過労自殺に関しては請求件数が221件、支給決定件数は98件となっています。

【出典】精神障害の労災補償状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/H29_no2.pdf

労災の過労死について、詳しく知りたい方は、こちら。
労災過労死で弁護士に相談すべき5つの理由と3つの注意点

過労自殺について、詳しく知りたい方は、こちら。
過労自殺の労災で弁護士に相談すべき8つの理由と3つの注意点

過労死の判例

過去に過労死が認められた判例を紹介します。

もし、該当する部分があるような方は、ご自身の場合と比較、確認をしてみてください。

・関西医科大学事件(大阪高裁 平成16年7月15日判決)

医科大学を卒業して、その付属病院で勤務していた研修生が自宅で急性心筋梗塞により死亡。

遺族は弁護士に依頼して、提訴。

平日は7時30分頃から22~23時まで勤務し、休日も勤務。

さらには、時間外でも呼び出されるという過酷さだった。

判決では、研修生がブルガダ症候群という疾患を素因として有していたことから15%の素因減額を認め、使用者に対し1億3500万円の損害賠償を認めた。

・システムコンサルタント事件(東京高裁 平成11年7月28日判決)

年間3000時間もの長時間労働をしていたコンピューターのソフトウェア開発者が脳出血を起こして死亡。

遺族が弁護士に依頼して会社に対して裁判を起こしました。

判決では、労働者が高血圧症のため治療が必要な状態であることを知りながら治療を受けず、体重を減らす努力もしていなかったなどの基礎的要因があることを指摘し賠償額を50%減らして、使用者に対し約3200万円の損賠償を命じた。

通勤労災と交通事故の関係とは?

ところで、通勤途中や業務中に交通事故にあってしまった場合はどうでしょうか? これは交通事故であると同時に労災事故であり、通勤災害になる可能性があります。

交通事故の加害者は刑事事件として裁かれることになりますが、さらには民事裁判において損害賠償の問題に向き合うことになります。

つまり、被害者は加害者に対して交通事故による損害賠償請求をすることができるのと同時に、勤務先の会社が加入している労災保険の「療養給付」や「休業給付」、「傷病年金」を受けられる可能性があるのです。

通常、労災保険給付だけでは、後遺障害などによる損害をカバーすることができないので、加害者に請求することになりますが、交渉相手として出てくるのは、加害者が加入している任意保険会社の担当者(保険のプロ)であることと、彼らが提示してくるのは適正ではない低い金額である可能性が高いことに注意が必要です。

交通事故の損害賠償請求の詳しい解説はこちら

そのため、保険会社との示談交渉では交通事故に詳しい弁護士などの専門家に依頼することをお勧めします。

なお、被害者や遺族の方が簡単に、ご自分で損害賠償額を計算できるように、WEB上の自動計算機弁護士が開発し、を設置しました。

個別の事情があるため完璧ではありませんが、一般論的な数字は算出できるので、ぜひ活用してください。

【死亡事故はこちら】 損害賠償シミュレーション(死亡事故編)

【後遺症はこちら】 損害賠償シミュレーション(後遺症編)

労災で被害者が知っておくべき3つのポイント

労災は起きないに越したことはありません。

しかし、万が一にも労災が発生した場合、あなたが損をしないために押さえておきたいポイントがあります。

労災給付金以外に、勤務先の会社に損害賠償請求することができる

前述したように、労災が発生した場合、会社が労災手続きを行い、被害にあった労働者には労災給付金が支給されます。

しかし、じつは労災に関する手続きはここで終わるわけではありません。

たとえば、工場で働いている時に、機械に腕が巻き込まれて腕を切断してしまったとします。

腕を切断してしまうと、その後、仕事をするにしても、かなり仕事の種類が制限されますし、収入も激減してしまうことでしょう。

しかし、労災給付金は最低限の補償となりますので、労働者が被った損害の全てをまかなうことはできません。

この場合、労働者が被った損害を会社に賠償請求できないか、ということが問題となってきます。

手や足、指などを切断してしまった場合の問題点について詳しく知りたい方は、こちら。

労働災害(労災事故)で、指や腕、腕や足を切断の場合の慰謝料額は会社には、労働者に労働させる際にはケガや病気を防ぐために安全に配慮する義務=「安全配慮義務」があります。

会社がこれを怠った場合には法律上、労働者は正当な損害賠償金を請求できるのです。

会社に対する慰謝料請求をもっと詳しく知りたい方は、こちら。

労災事故の慰謝料の相場と慰謝料増額が見込める場合 会社は、労働者が働くことで利益を得ています。

そして、労働者は、会社の指揮命令に従い、会社が指定した場所で、会社が供給する設備や器具等を用いて働きます。

したがって、労働者が働く際には、その生命身体に危険がないよう、安全に働くことができるように配慮しなければなりません これを「安全配慮義務」といいます。

会社が、この安全配慮義務に違反することによって、労働者がケガをしたような場合には、労働契約に債務不履行や不法行為として、労働者が被った損害を会社に対して請求することができる場合があります。

労災の脊髄損傷事例

ここでは、労災によるケガの中でも特に重い脊髄損傷の損害賠償の判例を紹介します。

・解体工事現場の2階から転落した労災事故で、アルバイト作業員が脊髄損傷等のケガを負い、両下肢完全運動麻痺や自排泄不可の後遺症が残った。

労災が認められ、後遺障害等級1級3号が認定されたため、作業員は弁護士に依頼して、会社に対して約1億円の損害賠償を求めて提訴。

判決では、使用者側がヘルメットや安全装置の使用に対する教育をせず、作業員に注意を促すこともしなかった過失かあるとした。

また、作業員は1年半の経験があることから危険の認識はできたはずだが、他の作業員よりは経験が少なく、使用者側の過失も重大であるため、作業員の過失を1割として、使用者側に約8123万円の損害賠償を命じた。
(東京地裁 平成17年11月30日判決)

・コンテナを荷下ろしする作業中、コンテナの下敷きになった作業員が脊髄損傷により両下肢完全麻痺、腋以下知覚脱失、膀胱直腸障害の後遺症を負った。

労災が認められ、後遺障害等級1級3号が認定されたため、作業員とその家族が弁護士に依頼して、会社と代表者に対して約5000万円の損害賠償を求めて提訴。

判決では、作業員の同僚が声を掛け合わず、作業手順に不備があったという過失があり、会社は使用者責任を負うとしたが、代表者は現場で指示していたわけでないとして、その責任を否定。

また、作業員の過失割合を5割として、会社に対して合計約3300万円の損害賠償を命じた。
(東京地裁 平成12年5月31日判決)

労災で脊髄損傷などのケガにより後遺障害を負った場合、安全配慮義務違反として使用者(会社)の損害賠償責任を認めた判決はたくさんあります。

しかし、使用者側からも過失相殺の主張が出てくることがほとんどのため、裁判を提起する場合は弁護士に相談することをお勧めします。

労災による後遺障害等級は間違っている場合がある

労災でケガをして治療したのに、不幸にも後遺症が残ってしまった場合、医師から診断書を書いてもらい後遺障害等級の認定手続きをすることになります。

自分の後遺障害等級が何級になるのかを専門の機関で審査・認定してもらうわけです。

じつは、その際、間違った後遺障害等級が認定されることがあるのです。

そうすると、被害者の方は損をする可能性があります。

後遺障害等級は、もっとも重い場合が1級で、そこから14級まで細かく分けられています。

たとえば、等級がひとつ違っただけで慰謝料などの損害賠償額は、数百万円、場合によっては数千万円も金額が違ってくることがあります。

後遺障害等級が正しいかどうかは、素人には判断できないと思いますので、事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

そして、後遺障害等級に不服があるときは、弁護士に依頼し、審査請求や裁判により、正しい等級に是正してもらうという手続をとる必要があります。

その意味でも、後遺障害等級が認定された時は、弁護士に相談することが必要です。

後遺障害等級認定が正しいかどうかは、医学的知識、後遺障害等級認定基準、法的知識が必要です。

一度弁護士に相談してみましょう。

 

会社の「労災隠し」は犯罪になります

労災が起きた場合、事業者は所轄の労働基準監督署に「労働者死傷病報告書」を提出しなければいけません。

これを怠ったり、虚偽の報告をすると犯罪になります。

つまり、被害者の方は泣き寝入りをして、損をしなくてもいいということです。

労災が起きたら弁護士に相談・依頼したほうがいい5つの理由

ここまで労災と労災保険について解説してきました。

しかし、まだ不安が残ります。

果たして、自分だけで正しい申請手続きを行い、適切な補償や賠償金を手に入れることができるのか、という問題です。

前述したように、被害者の方にとって労災は初めての場合であることが多く、おまけに法的な知識がないと手続はとても難しい作業です。

また、ケガや病気で体調が悪いのに労災手続きをすることは、肉体的にも精神的にも大きな負担になってしまいます。

やはりここは、労災問題に詳しい弁護士などの専門家に相談・依頼することをお勧めします。

弁護士に依頼した場合のメリットには次のことなどがあげられます。

労災で認定された後遺障害等級が正しいかどうか、信頼できる判断ができる

すでに説明しましたが、労災で、後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級認定を受けることになります。

この後遺障害等級は、会社に対する障害補償給付の基準になり、また、会社に対する損害賠償請求をする際には、逸失利益や後遺症慰謝料の計算の基準となるものです。

1等級違うと、賠償金は、数百万円から、場合によっては数千万円も違ってくる、とても大切なものです。

しかし、後遺障害等級が正しいかどうか、については、労災の後遺障害等級認定のシステムを熟知していないとわかりませんし、また、医学的知識も必要です。

それらを労災の経験がない被災者が判断するのは難しいでしょう。

そして、それについて熟知しているのは、労災に精通した弁護士ということになります。

弁護士に相談することで、自分の労災の等級認定が正しいかどうか、信頼できる判断をすることができるでしょう。

この点は、労災を弁護士に相談するメリットと言えるでしょう。

後遺障害の上位等級が狙えるときは審査請求や裁判を任せられる

そして、後遺障害等級認定は、必ず正しい判断がされるわけではありません。

過去にも、一旦後遺障害等級認定がされた後に、さらに重い後遺障害等級認定がされた事例が多数あります。

しかし、後遺障害で上位等級を認定してもらうためには、審査請求や裁判をしなければなりません。

これらの手続は専門的で、法律の素人が行うことは難しいでしょう。

やはり労災に強い弁護士に依頼するのが一番です。

このように後遺障害に対する審査請求や裁判を任せられる、というのも弁護士に相談依頼するメリットと言えるでしょう。

交通事故等の加害者や労災事故での使用者側に対する損害賠償請求や示談交渉で強力な交渉力を発揮できる

会社が安全配慮義務に違反して労災が発生した場合には、会社に対して損害賠償請求をすることができます。

しかし、会社に対して、いくら損害を請求できるでしょうか? また、会社は、すんなりと払ってくれるでしょうか? とても難しい問題です。

こんな時、被災者が自ら請求しても、適切な賠償金の獲得は難しいでしょう。

法律の専門家である弁護士が、法律や過去の裁判例に基づき、適切な賠償額を計算し、会社と協力に交渉してくれます。

会社に損害賠償を請求する時には、弁護士に依頼することで大きなメリットを得ることができるでしょう。

裁判の場合、裁判所基準での最大限の損害賠償金を手にすることができる

労災で、会社に対して損害賠償を請求しても、実際には払ってくれないことが多いものです。

そんな時は、会社に対して裁判を起こすことによって被災者に生じた損害を回復しなければなりません。

裁判は、とても専門的な手続なので、法律の素人が行うことは難しいでしょう。

そして、労災の裁判では、ケガが労災により生じたものか、後遺障害等級が正しいか、損害額はいくらか、などが激しく争われますので、弁護士に依頼しないと、その遂行は難しいでしょう。

さらに言えば、労災に強い弁護士に依頼することで、裁判基準での最大限の賠償金を獲得することができるでしょう。

被害者の方は泣き寝入りすることなく、難しく煩わしい法的手続きから解放される

労災に被災して、後遺障害等級認定、会社との示談交渉、裁判、と、被災者が色々な煩雑な手続に巻き込まれます。

そのような色々な手続を被災者自ら行うことは、知識の問題もありますし、大変なことです。

様々な手続を被災者に代わって行ってくれれば、精神的な負担がかなり緩和されることでしょう。

もちろん、治療をしたり、医師と相談したり、というのは、本人が行わなければなりません。

しかし、後遺障害等級が正しいかどうかの検討や会社との示談交渉、裁判などは、弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として行ってくれます。

このような点も、労災を弁護士に相談・依頼する大きなメリットと言えるでしょう。

労災は誰にでも起こり得ることで、けっして他人事ではありません。

正しい知識を知らないままでいたら、被害者の方は大きな損をしてしまうかもしれません。

ぜひ、正しい法律知識を身につけて、まさかのときには損をすることなく適切な補償と損害賠償金を受け取っていただきたいと思います。

労災損害賠償にかかる弁護士費用

以上の説明で、労災の損害賠償をする際には、弁護士に相談した方が良い理由をご理解いただけたと思います。

それでは、労災事故において、会社などに損害賠償を請求する際にかかる弁護士費用は、どのくらいなのでしょうか? 弁護士費用については、とても気になるところだと思います。

労災損害賠償にかかる弁護士費用としては、次のような項目が一般的です。

(1)相談料 (2)着手金 (3)報酬金 (4)手数料 (5)実費 以下、順番に説明したいと思います。

(1)相談料
労働災害で被災し、会社に対して慰謝料請求をしようとする場合、まずは弁護士に対する相談から始まります。

弁護士に相談というと、高い相談料を払わなければならないと思うかもしれません。

実は、弁護士に対する相談料については、規則はありません。

各弁護士が自由に決めています。

多くの法律事務所では、30分につき5,000円などの金額を設定しています。

しかし、現在では、無料相談を受け付けている法律事務所も多いので、探してみましょう。

みらい総合法律事務所でも、後遺症や死亡事故など条件が合えば、無料相談を受け付けています。

お受けできる条件については、こちらをご覧ください。
https://www.rousai-sos.jp/cost.html

(2)着手金
着手金は、労災事故で、弁護士と委任契約を締結した場合に、最初に支払う手付金です。

着手金については、成功報酬とは異なりますので、結果にかかわらず、戻ってこないお金となります。

請求金額によって異なってくるのが一般的です。

なお、みらい総合法律事務所では、事案によっては、着手金0円で、弁護士費用を完全成功報酬で受けられる場合もあります。

(3)成功報酬
成功報酬は、労災事故で、会社に損害賠償を請求し、契約で定めた委任事務が終了した場合に発生するものです。

「経済的利益の●%」
「獲得金額の●%」
のように、成功の程度に応じて計算されます。

(4)手数料
弁護士費用は、着手金・報酬金で定められることが多いのですが、そうではなく、「手数料」として定められることもあります。

この場合には、契約した手続を行うための手数料として、一定の金額を支払うことになります。

その他、弁護士費用を時間に応じて課金する「タイムチャージ制」を採用することもあります。

(5)実費
最後は、実費です。

実費は、弁護士費用ではありません。

事件を遂行する過程で発生する費用です。

印紙、郵券、交通費、カルテ翻訳代、その他、事件処理に要する実費となります。

このように、弁護士に依頼する際には、様々な費用がかかってきます。

はじめに明確に取り決めておかないと、後でトラブルになります。

弁護士に依頼する際には、必ず契約書を作成してもらい、弁護士費用や弁護士費用の計算方法を明記してもらうようにしましょう。

みらい総合法律事務所では、ご依頼をお受けする場合には、必ず契約書を締結しています。

みらい総合法律事務所では、ご相談・ご依頼を受ける事案を、後遺症と死亡事故に絞って、専門性を高めています。

該当する方は、ぜひご相談ください。

労災の後遺障害事案や死亡事案などは、会社への慰謝料請求が必要になる場合があり、その場合には弁護士に相談依頼しなければ難しいです。

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