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上肢(肩・肘・手首・手指)の後遺障害

最終更新日 2024年 06月13日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠

上肢(肩・肘・手首・手指)の後遺障害等級と慰謝料額

この記事を読むとわかること

①肩から肘、腕、手、手の指までの部分を「上肢」といい、「肩関節」、「肘関節」、「手関節(手首)」の三大関節が含まれます。

②業務中の事故などによる上肢の傷害(ケガ)が労災認定されると、後遺障害が残った部位や程度によって、1級から14級まで幅広く後遺障害等級が認定される可能性があります。

③労災の被災者の方は、労災保険から各種給付金を受け取ることができます
「療養補償給付」「休業補償給付」「障害補償給付」「介護補償給付」などがあります。

④労災保険からの各種給付金だけでは補償が不十分な場合、「安全配慮義務違反」に基づき、会社に対して損害賠償請求をすることができる場合があります。

⑤後遺障害慰謝料の適正な相場金額は、1級が2,800万円、2級が2,370万円でもっとも高額になります。
比較的軽度の等級では、13級で180万円、14級で110万円です

これから、労災で上肢にケガを負った場合の「後遺障害の種類」「後遺障害等級」「慰謝料の計算方法と正しい相場金額」「会社に対する損害賠償請求の内容や注意ポイント」などについて詳しく解説していきます。

上肢の各部位と関節・骨について解説

上肢とは?

上肢というのは、肩から肘、腕、手、手の指までの部分をいい、関節については、「肩関節」、「肘関節」、「手関節(手首)」の三大関節が含まれます。

下肢を構成する主な骨の特徴と役割

「肩甲骨(けんこうこつ)」
・両肩にある三角形状をしている大型の骨で、鎖骨と上腕骨とつながり肩関節を形成している。

「上腕骨(じょうわんこつ)」
  • ・近位端は上腕骨頭という半球状の構造になっており、肩甲骨と関節して肩関節を形成している。
  • ・遠位端には上腕骨滑車と上腕骨小頭があり、尺骨と関節して腕尺関節(肘関節の一部)を形成し、橈骨と関節して腕橈関節(肘関節の一部)を形成している。

「尺骨(しゃっこつ)」
  • ・前腕を構成する二本の長い骨のうちの一つで、橈骨と平行に並んで存在している。
  • ・身体近い側(内側)の骨で、小指側に位置しており、尺骨のほうが橈骨よりやや大きく長い。
  • ・近位端で上腕骨と関節して、腕尺関節(肘関節の一部)を形成し、橈骨と上撓尺関節(肘関節の一部)を形成している
  • ・遠位端では、橈骨と下橈尺関節を形成している。

「橈骨(とうこつ)」
  • ・尺骨とともに前腕を構成している骨で、身体から見て外側の親指側にある。
  • ・近位端は上腕骨と腕撓関節を形成し、尺骨と上橈尺関節(肘関節の一部)を形成している。
  • ・遠位端では尺骨と下橈尺関節を形成し、舟状骨・月状骨・三角骨と橈骨手根関節(手関節の一部)を形成している。

「手根骨(しゅこんこつ)」
手関節(手首)にあり、靭帯で結合された8つの骨から構成されており、2段に分かれて並んでいる。
  • 近位手板骨列(手首側)……豆状骨・三角骨・月状骨・舟状骨
  • 遠位手板骨列(指側)……有鈎骨・有頭骨・小菱形骨・大菱形骨

「中手骨(ちゅうしゅこつ)」
手根骨からつながる5本の細長い管状骨から構成されており、指骨につながっている。

「指骨(しこつ)」
指の骨は、中手骨側から指先に向かって「基節骨」「中節骨」「末節骨」の順番に構成されている。
親指には中節骨がないため、片手では全部で14個の骨から構成されている。

上肢の後遺障害等級と認定基準を一覧表で確認

労災による傷害(ケガ)の治療を続けたものの、これ以上の改善は難しい状態になると「症状固定」の診断を医師から受けます。 その後、被災者の方には後遺症が残ってしまうことになります。

下肢の後遺障害は次の3つに分けて判断されます。

  • (1)欠損障害
  • (2)機能障害
  • (3)変形障害

※上肢(腕)の障害と手指の障害に区別されます。
※本記事では、その他の障害として醜状障害の後遺障害等級も記載します。

参考資料:「肢体の障害」(厚生労働省)

下肢の欠損障害の後遺障害等級

上肢の欠損障害
1級6号 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
2級3号 両上肢を手関節以上で失ったもの
4級4号 一上肢を肘関節以上で失ったもの
5級2号 一上肢を手関節以上で失ったもの
①「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは?

次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 肩関節において、肩甲骨と上腕骨を離断したもの
  2. 肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの
  3. 肘関節において、上腕骨と橈骨及び尺骨とを離断したもの

②「上肢を手関節以上で失ったもの」とは?

次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 肘関節と手関節の間において上肢を切断したもの
  2. 手関節において、橈骨及び尺骨と手根骨とを離断したもの

手指の欠損障害
3級5号 両手の手指の全部を失ったもの
6級7号 一手の五指又は母指を含み四の手指を失ったもの
7級6号 一手の母指を含み三の手指又は拇母指以外の四の手指を失ったもの
8級3号 一手の母指を含み二の手指又は拇母指以外の三の手指を失ったもの
9級8号 一手の母指又は母指以外の二の手指を失ったもの
11級6号 一手の示指、中指又は環指を失ったもの
12級8の2号 一手の小指を失ったもの
13級5号 一手の母指の指骨の一部を失ったもの
14級6号 一手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
①「手指を失ったもの」とは?

「母指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったもの」とされており、具体的には次の場合が該当します。

  1. 手指を中手骨又は基節骨で切断したもの
  2. 近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)において、基節骨と中節骨とを離断したもの
(後記「手指の用を廃したもの」の①に該当するものを除く)

②「指骨の一部を失ったもの」とは?

一指骨の一部を失っている(遊離骨片の状態を含む)ことがX線写真等により確認できるものをいいます。
(後記「手指の用を廃したもの」の①に該当するものを除く)

上肢の機能障害の後遺障害等級

上肢の機能障害
1級7号 両上肢の用を全廃したもの
5級4号 一上肢の用を全廃したもの
6級5号 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8級6号 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
10級9号 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

①「上肢の用を廃したもの」とは?

三大関節(肩関節、ひじ関節、手関節)のすべてが強直し、かつ、手指の全部の用を廃したものをいいます。
上腕神経叢の完全麻痺もこれに含まれます。

②「関節の用を廃したもの」とは?

次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 関節が強直したもの
    ただし、肩関節にあっては、肩甲上腕関節がゆ合し骨性強直していることがX線写真により確認できるものを含む。
  2. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの
    「これに近い状態」とは、他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側(障害がない側)の可動域角度の10%程度以下となったものをいう。
  3. 人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/ 2以下に制限されているもの

※ゆ合=接着して固着に至ること。

③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは?

次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
  2. 人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/ 2以下に制限されている以外のもの


④「関節の機能に障害を残すもの」とは?

関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいいます。
手指の機能障害
4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの
7級7号 一手の五の手指又は母指を含み四の手指の用を廃したもの
8級4号 一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指の用を廃したもの
9級9号 一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指の用を廃したもの
10級6号 一手の母指又は母指以外の二の手指の用を廃したもの
12級9号 一手の示指、中指又は環指の用を廃したもの
13級4号 一手の小指の用を廃したもの
14級7号 一手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

①「手指の用を廃したもの」とは?

「手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すもの」とされており、具体的には、次の場合がこれに該当します。

  1. 手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
  2. 中手指節関節又は近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの
  3. 母指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されているものも、「著しい運動障害を残すもの」に準じて取り扱うこと
  4. 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したものも、「手指の用を廃したもの」に準じて取り扱うこと。
    ・このことは、医学的に当該部位を支配する感覚神経が断裂し得ると判断される外傷を負った事実を確認するとともに、筋電計を用いた感覚神経伝道速度検査を行ない、感覚神経活動電位(SNAP)が検出されないことを確認することによって認定すること。
    注)感覚の完全脱失とは、表在感覚のみならず深部感覚をも消失したものをいう。
    ・表在感覚のみならず、深部感覚をも完全に脱失するのは、外傷により感覚神経が断裂した場合に限られる。

②「遠位指節間関節を屈伸することができないもの」とは?

次のいずれかに該当するものをいいます。
  1. 遠位指節間関節が強直したもの
  2. 屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって、自動で屈伸ができないもの又はこれに近い状態にあるもの

上肢の変形障害の後遺障害等級

上肢の変形障害
7級9号 一上肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級8号 一上肢に仮関節を残すもの
12級8号 長管骨に変形を残すもの

①「仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは?
次のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものをいいます。

  1. 上腕骨の骨幹部又は骨幹端部(以下「骨幹部等」という)にゆ合不全を残すもの
  2. 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

②「仮関節を残すもの」とは?
次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 上腕骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記に当てはまらないもの
  2. 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記に当てはまらないもの
  3. 橈骨又は尺骨のいずれか一方の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

③「長管骨に変形を残すもの」とは?
次のいずれかに該当するものをいいます。

  1. 次のいずれかに該当する場合であって、外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)以上のもの
    a. 上腕骨に変形を残すもの
    b. 橈骨及び尺骨の両方に変形を残すもの(ただし、橈骨又は尺骨のいずれか一方のみの変形であっても、その程度が著しいものはこれに該当する)
  2. 上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部にゆ合不全を残すもの
  3. 橈骨又は尺骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、硬性補装具を必要としないもの
  4. 上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
  5. 上腕骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に、又は橈骨若しくは尺骨(それぞれの骨端部を除く)の直径が1/ 2以下に減少したもの
  6. 上腕骨が50度以上外旋又は内旋畸形ゆ合しているもの この場合、50度以上回旋畸形ゆ合していることは、次のいずれにも該当することを確認することによって判定すること。
    a. 外旋変形ゆ合にあっては肩関節の内旋が50度を超えて可動できないこと、また、内旋変形ゆ合にあっては肩関節の外旋が10度を超えて可動できないこと
    b. X線写真等により、上腕骨骨幹部の骨折部に回旋変形ゆ合が明らかに認められること

上肢の醜状障害の後遺障害等級

上肢の醜状障害
14級3号 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

参考資料:「労災の障害等級表」(厚生労働省)



【関連動画】労災:で後遺障害等級を得られる人、得られない人の違い

労災・労災保険・給付金について解説

労災とは?

労災は正式には労働災害といい、労働者の方が業務を起因として被る災害のことです。 業務中に労働者の方が傷害(ケガ)や病気、障害、死亡に至った場合が該当しますが、大きくは次の2種類に分類されます。

「業務災害」

業務中の事故等で負ったケガや障害など。

参考資料:「業務災害について」(厚生労働省)

「通勤災害」

通勤中の交通事故等で負ったケガや障害など。

参考資料:「通勤災害について」(東京労働局)



【関連動画】交通事故:通勤労災で労災保険と自賠責保険のどちらを使う?弁護士解説。

労災保険から受け取れる給付金の種類について

労災で傷害(ケガ)を負った場合、また後遺障害が残ってしまった場合、被災者の方は労災保険からの補償として各種給付金を受け取ることができます。

労災保険からの給付金一覧

①療養補償給付
診察、治療などに対する補償。

②休業補償給付(休業給付)
ケガの治療のために労働できない場合、休業の4日目から休業が続く間の補償が支給されるもの。

③傷病補償年金(傷病年金)
治療開始後1年6か月を経過しても治らない場合、傷病等級に応じて支給されるもの。

④障害補償給付(障害給付)
ケガが治った、もしくは症状固定(それ以上の回復が見込めない状態)後に後遺障害等級(1~14級)に基づいて支給されるもの。

⑤介護補償給付(介護給付)
後遺障害等級が1級と2級で常時介護が必要になった場合の補償。

⑥遺族補償年金(遺族年金)
労働者が死亡した場合、遺族に支給されるもの。

⑦葬祭料(総裁給付)
労働者が死亡した場合、支給される費用。

※⑥⑦は死亡の場合

参考資料:「労災保険給付の概要」(厚生労働省)


会社に対して損害賠償請求するとはどういうことか?

被災者は会社に対して損害賠償請求することができる

後遺障害が重度のケースでは、労災保険からの給付金だけでは将来的な補償が十分ではない、という問題が発生する可能性があります。

労働に支障が出ると、被災者の方にとっては収入面でも将来的な不安や心配が大きいでしょう。

そうした場合には、会社側の「安全配慮義務違反」を理由に慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求ができる、ということを知ってください。

「労働契約法」
第5条(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

「労働安全衛生法」
第24条(事業者の講ずべき措置等)
事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

また、加害者が会社の従業員の場合には、その使用者である会社に対して、「使用者責任」に基づく損害賠償請求ができる場合があります。

「民法」
第715条(使用者等の責任)
  1. ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
  2. 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

損害賠償請求できる項目について

被災者の方が請求できる損害賠償項目は慰謝料だけでなく、さまざまな項目があるので確認しておきましょう。

<損害賠償請求できる主な項目>
☑治療費
☑通院交通費
☑休業損害
☑慰謝料
☑逸失利益
☑葬儀費用
☑装具・器具購入費
☑自宅・自動車改造費 など

【関連記事】
労災事故の損害賠償請求でもらえる金額の計算方法と相場・請求方法
 

労災における慰謝料の種類と相場金額

損害賠償項目の中でも、「慰謝料」と「逸失利益」は金額が大きくなる項目です。 会社側との示談交渉では争点になることが多いので、適正な相場金額を知っておくことが大切です。

傷害慰謝料(入通院慰謝料)

被災者の方が、ケガの治療のために入通院した際に受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。

ケガから回復した場合、労災保険から治療費の全額について受け取ったうえで、会社に対して請求する入通院慰謝料額は数万円~数十万円が相場となりますが、ケガの症状や程度によっては数百万円というケースもあります。

【会社に対する請求額(入通院慰謝料)の例】
1か月入院・1か月通院の場合 77万円
1か月入院・3か月通院の場合 115万円
2か月入院・5か月通院の場合 173万円
3か月入院・8か月通院の場合 222万円

後遺障害慰謝料

症状固定の診断後、後遺症が残って、後遺障害等級が認定された場合に支払われるものです。
あらかじめ、認定された等級(1級~14級)によって概ねの金額が決められており、後遺障害が重度なほど金額が大きくなります。

<後遺障害慰謝料の一覧表>
後遺障害等級1級 2800万円
後遺障害等級2級 2370万円
後遺障害等級3級 1990万円
後遺障害等級4級 1670万円
後遺障害等級5級 1400万円
後遺障害等級6級 1180万円
後遺障害等級7級 1000万円
後遺障害等級8級 830万円
後遺障害等級9級 690万円
後遺障害等級10級 550万円
後遺障害等級11級 420万円
後遺障害等級12級 290万円
後遺障害等級13級 180万円
後遺障害等級14級 110万円

なお、間違った後遺障害等級が認定されてしまうことは避けなければいけません。 本来受け取るべき慰謝料額が低くなってしまえば、被災者の方は二重に損害を受けることになってしまうからです。

【関連動画】労災の慰謝料請求を弁護士が解説

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労災事故の慰謝料の相場と慰謝料を増額する方法
 

逸失利益は被災者の年齢、性別、職業等によって金額が変わる

「後遺障害逸失利益」とは、後遺障害を負わなければ将来的に得られるはずだった利益(収入)に対する補償のことです。

ちなみに、「休業損害」も損害賠償項目に入っていますが、これはケガの治療のために入通院して、休業せざるを得ない場合の現在の収入に対する補償になります。

後遺障害逸失利益を算出する際は、次の計算式を使います。

<後遺障害逸失利益の計算式>
基礎収入額 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

後遺障害逸失利益は一律の金額ではなく、被災者の方の年齢、性別、職業等によって金額が変わります
詳しい計算方法については、こちらのページで確認していただけます。

【関連記事】
労災事故の慰謝料の相場と慰謝料を増額する方法
 

会社が主張する過失割合を認めてはいけない

労災事故については基本、法的には使用者(会社)側と労働者(被災者)側の双方に過失(責任が)あったと考えられます。

この過失(責任)の割合を「過失割合」といいます。
そして、過失割合に応じて慰謝料などを減額することを「過失相殺」といいます。

仮に、慰謝料が1,500万円だったとします。
そして、会社側から被災者の方の過失割合を5割と主張され、それを受け入れたとします。
すると、1,500円の5割が減額されてしまうので、750万円が被災者の方が受け取る金額になってしまうのです。

会社側に損害賠償請求した際、過失相殺の主張をしてくる会社がほとんど、と考えておくべきです。
そのため、示談交渉では過失割合が争点となり、もめることが非常に多いのが現実です。

会社側の主張を受け入れてしまうと被災者の方は大きな損をしてしまう、ことを忘れないでください。

損害賠償金額の折り合いがつかなければ示談交渉に入りますが、被災者の方が一人で交渉して、適正な金額を勝ち取るのは難しいですし、現実的ではありません。

労災の知識と実務に精通した弁護士でないと、過失割合を正確に判定することができないので、会社側との示談交渉で折り合いがつかない場合は、弁護士に相談・依頼することが解決への近道になります

弁護士に相談・依頼して安心と納得を手に入れてください!

慰謝料などを会社に損害賠償請求する場合は、やはり「その後」のことも考えなければいけません。
請求後も会社で働き続けようと考えているなら、やはり働きにくくなるなどの現実的な問題があるからです。

そうしたことも含め、労災でお困りの場合は、労災問題に強い弁護士への相談・依頼を検討してください。

弁護士に相談・依頼すると、次のようなメリットがあります。

<弁護士に相談・依頼する7つのメリット>
  • ①労災給付金の請求の相談ができる
  • ②正しい後遺障害等級が認定されているか確認できる
  • ③会社に損害賠償請求をするべきかの判断をしてもらえる
  • ④慰謝料や逸失利益などの正確な金額を知ることができる
  • ⑤正当な過失割合を判定してもらえる
  • ⑥相談者の代理人として示談交渉を行なってもらえる
  • ⑦示談交渉が決裂したら裁判での解決を任せられる

【関連記事】
労働災害(労災)を弁護士に相談依頼するメリット・デメリット
 

被災者の方は一人で悩まないでください。
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