労働災害SOS|みらい総合法律事務所

後遺障害と症状固定

最終更新日 2011年 01月02日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠

労災事故で傷害を負い、入通院を続けていると、治療が完了し、完治するときがきます。

この時点で損害額が確定し、示談交渉ないし訴訟の手続に入っていくことになります。

ところが、治療もむなしく完治せず、後遺障害が残ってしまうことがあります。

この場合は、どういう手続になるのでしょうか。

労災基準では、「症状固定」について 「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法(以下「療養」という。)をもってしても、その効果が期待し得ない状態 (療養の終了)で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達したときをいう。」と規定されています。

簡単に言うと、「これ以上治療を継続しても、治療効果が上がらなくなった状態」のことです。

主治医と相談し、このような状態になったと判断されれば、「症状固定」とします。

症状固定となると、それ以上治療を継続しても、治療効果が上がらないわけですから、その後治療を継続したとしても、原則として治療費は損害賠償の範囲に含まれません (もちろん症状が固定しても医学上治療が必要な場合は含まれます)。

また、症状固定後の休業損害は、後遺障害逸失利益に含まれて計算されるので、休業損害は発生しないことになります。

つまり、症状固定により、労災事故によって被った損害が確定し、示談ないし訴訟手続に移行することになるのです。

その結果により、賠償金額も変わってきます。

等級が認定されれば、等級に応じた後遺障害分としての損害も確定し、傷害分と合わせた賠償請求をすることになります。

等級が認定されない場合は、基本的には傷害分の賠償請求のみになります。
  • 労働災害の損害賠償手続
  • 労働災害はお一人で悩まず弁護士へご相談ください
労働災害の弁護士相談はお気軽に
労働災害でお悩みの方は今すぐご連絡を!
労災に悩み方へお送りする小冊子ご案内